山人ルーツは、2つの意味を込めて創られた。

ひとつめは、早川の人々の「たくましい生き方」の記録。
早川に住む人々は、厳しくも豊かな自然環境の中で、生き抜くための様々な知恵や技術、自然との関わり方を修得してきている。しかし、こうした生活文化はあと10年もすればなくなってしまうかもしれない。今回が、早川町の財産としてしっかりと記録できる最後のタイミングだと思われ、0号の発行に至った。

ふたつ目は、そうした生活文化を取り入れた、楽しく豊かな暮らし方を後世へ伝えること。
早川の人々が持つ、暮らしを切り開く力や精神は、過去の遺物ではない。将来、利便性や効率性を追求した現代の暮らしが、社会問題や国際情勢、大災害などにより不安定になったとき、自然を上手に活かし、集落間の相互扶助などで成り立ってきた早川の暮らしは、きっと再評価されることだろう。

こうした生活文化を、早川で生まれ育った若者達に受け継いでもらいたいと思い、山人ルーツは創刊された。この本が、早川で暮らす人々にとって、地域で心豊かな暮らしを送っていくための一歩を踏み出すきっかけとなれば嬉しい。