2/赤沢宿散策ガイド

赤沢宿散策ガイド

11/22・23は赤沢の秋祭りを見に行こう!

日蓮宗の信仰と深く結びつき、今も江戸情緒漂う町並みが残る赤沢宿。ここに住む人たちが古くから続けてきた秋祭りが、今年も11月22・23日に行われます。毎年決まって振舞われているのが手作りの甘酒。晩秋の澄んだ空気の中、七面山を目の前に温かい甘酒をいただく、そんな素朴なお祭りです。
参加者のための甘酒や食事づくり、花飾りづくりといった祭りの準備は、古くから輪番制で進められています。大当屋(おおとうや)と呼ばれる7軒の家が年ごとに順番で引き受けます。この手伝いをするのが小当屋(ことうや)と呼ばれる家。大当屋1軒につき5軒ほどの小当屋が決まっています。
七面山参拝客を迎え入れ、先祖は室町時代にさかのぼるという旅館・江戸屋も大当屋の1つ。何度も準備に携わってきた望月絹さん(79歳)は「7年にいっぺんだからね。前にやったときのことは忘れてしまうけど、年ごとに甘酒に使う米の量なんかが記録してある帳面があるんですよ。それを見れば思い出します」と話します。仕事の合間を縫って、小当屋と協力しながら準備を進めます。

手づくりの甘酒、飲みにきちゃあ

お祭りに集まる子供も大人も楽しみにしているのが手作りの甘酒。市販されている甘酒は酒かすを使ったものが大半ですが、お祭りの甘酒は、炊いた米に米こうじをまぜて発酵させる手の込んだもの。米本来の甘味を生かした心も体も温まる飲み物です。お祭りの3日ほど前に仕込みを開始。発酵がきちんと進むよう、当日まで毎日、当屋が甘酒の鍋をかき混ぜます。
この秋祭りは集落の氏神様である八幡さんのお祭り。22日午後6時からが宵祭り、23日午前10時からが本祭りで、23日朝には子供みこしが出て、お祭りに花を添えます。20年ほど前までは当屋の家に村中の人が集まっていましたが、今は公民館を会場にしています。
「昔はお祭りといえば子供が楽しみにしていて、鬼ごっこやかくれんぼをして大騒ぎでしたよ。今は子供の数が減ったからねぇ」と絹さん。子供が多かった時代の、にぎやかなお祭りと趣きは変わっても、秋祭りは赤沢の人にとって大切な行事です。
「昔ながらの手作りの甘酒、飲んでみたい」、そう思った方は、ぜひ秋祭りにお出かけください。「来てくれた方にはもちろん振舞いますよ」と絹さんは笑顔で話してくれました。

 

美観図鑑

2 アマゴの産卵

10月下旬から11月上旬にかけて、アマゴ(早川町では通称ヤマメ)やイワナが産卵の時期を迎える。奥が雄、手前が雌のアマゴです。月夜の晩に支流の流れの緩やかな浅瀬に出かけると、寄り添う魚たちに出会えるかもしれません。