桜前線北上中
桜といえば、ソメイヨシノが一般的で、開花予想の基準にもなっています。ソメイヨシノは江戸末期から明治初期に、野生種であるエドヒガンなどをもとに作られた園芸種であり、その後全国各地に爆発的に広まりました。花が葉より先に咲くことや、大きく整った薄紅色の花が密生して全体を覆う美しさから、花見などにもよく使われます。
しかし、ソメイヨシノ以外にも桜は多く、特に山間部では、もともと日本に自生する野生種が多く存在します。早川町内では、ソメイヨシノのほか、エドヒガン、イトザクラ(シダレザクラ)、ヤマザクラ、サトザクラなどが見られ、それぞれに独特の美しさがあります。また標高差により開花時期が少しずつずれているので、1週間おきに場所を変えて満開の桜の下で花見をするといった楽しみ方もできます。
南アルプスの険しい山々を背に、力強く咲く桜を、間近に見たり、遠方に眺めたりしながら、多種多様の桜の違いを比べることや、背景の山との調和を楽しむこともまた、花見の醍醐味といえるのではないでしょうか。今月は早川での桜の楽しみ方を、みどころと共にご紹介します。
おばあちゃんの試してレシピ5
やまめごはん
早川町の男たちにとって、冬の楽しみが狩猟だとすれば、春から秋にかけての楽しみは釣り。3月15日は、待ちに待った早川の漁の解禁日。鉄砲を釣り竿に持ち替えた男たちが、ヤマメやイワナを求めて沢へ入って行きます。
今回ご紹介するのは、そんな時期にふさわしいヤマメを使った「おごっそう」。久田子(くたし)集落の望月恵美さんに教わった、シンプルだけど一口食べれば思わず微笑んでしまう春の味です。
■材料(4人分)
ヤマメ………………………中2尾
米……………………………3合
ニンジン……………………大1/2本
昆布…………………………1枚
塩……………………………少々
サラダ油……………………大さじ1
醤油…………………………大さじ4
■作り方
① 米を研ぎ昆布を乗せ、30分ほど水に浸す。水は、普通に米を炊く場合と同じ分量。
② 腹を取ったヤマメに塩をして炭火で焼き、 焼けたら頭、中骨、尾を取り除き身をほぐす。
③ ニンジンを笹がきにし、ほぐしたヤマメの身と一緒にサラダ油で炒める。途中、醤油を入れ味を付ける。
④ 米の上に炒めた具を乗せ、米を炊く。
⑤ 炊けたら昆布を取り除き、しゃもじでざっくりと混ぜる。