道に思いを馳せる
早川町の前身は、早川流域の六ヵ村、さらに遡る江戸末期には十九ヵ村あり、その中に三十数集落が形成されていた。これら集落間および他村との交通網は、両岸が切り立った川沿いではなく、山の背を横断する峠道と山道に支えられていた。現在の身延町切石から中山-笹走-榑坪-千須和-薬袋-塩ノ上-京ヶ島-草塩-保-西之宮-黒桂-早川-大原野-新倉-湯島-奈良田がそのルートで、これを「早川入り」と呼んだ。一方、豊富な水量を誇る早川の流れは、材木の搬出など主に物流に利用された。
ところが大正時代に早川の水を利用する水力発電計画が起こり、水運に代わる木材の搬出ルートとして、川沿いに軌道の敷設が計画された。このルートがのちの「県道南アルプス公園線」である。今では舗装され、ほぼ全線において幅員も十分に確保されており、町内外を短時間で結ぶ唯一の幹線道路として、町の生命線ともなっている。しかし古地図や現地調査から歴史を遡ると、かつては狭く、曲がりくねった未舗装の悪路が続き、しかも度重なる風水害によって何度も破壊され、幾度も作り直されたりルートが変更されたりしていたようだ。
軌道の上をトロ馬車が走り、人や資材を運んだ昭和初期。度重なる台風の襲来を乗り越えてきた戦後から現在まで。そうした歴史の痕跡が、廃道となった橋やトンネルに僅か残されていて、先人の苦労と生きた証がそこに刻まれている。今回は、そんな「県道南アルプス公園線」に焦点を当て、道の変遷とともに早川の歴史をひもといてみる。
おばあちゃんの試してレシピ21
ベーコンの塩味が白菜の甘みを引き立てる 白菜のスープ煮
鍋やシチューなど冬の食卓の人気者「白菜」。今回は白菜でたくさんの具を巻いたスープ煮をご紹介します。白菜の甘みが引き立つあっさり味ですが、ベーコンの旨味やにらの風味、えのきだけの歯ごたえで食べ応え満点です。ニラはビタミン豊富なので風邪予防にもぴったり。
■材料(4人分)
白菜………………1/2個(1kg)
薄切りベーコン…160g
塩・こしょう……少々
固形スープの素…1個
白ワイン…………大さじ4
水…………………2カップ
にら………………適量
えのき茸…………1パック
ハーブ……………少々
■作り方
①白菜は、葉を一枚ずつはずし、熱湯で芯の方から茹でる。
②茹でた白菜をバットに広げ粗熱をとり、塩・こしょうを振る。
③えのき茸をほぐし、にらはえのき茸と同じ長さに切る。
④白菜2枚を厚さが均一になるように重ね、上にベーコン、にら、えのき茸を並べて葉先から巻く。
⑤鍋に④を重ならないように並べ、水、固形スープの素、白ワインを入れ、煮立ったら弱火にして10分くらい煮る。
煮上がったら、器に汁ごと盛りつけて、彩りにハーブを添えるとお洒落。今回は自家製のレモンバーム。