72/早川町郷土資料館の今昔

早川町郷土資料館の今昔

早川町郷土資料館。木造のうすピンクのレトロな建物で、エメラルド色に塗られ強調された窓枠や特徴的な六角形の飾り窓は、車窓からでも目立ち、思わず車を停めて寄り道してみたいと思わせる可愛らしさ。平成26年4月25日、「早川町の代表的な庁舎建築」として登録有形文化財になった。
しかし、入口を見ると「見学には電話が必要」との掲示があり、寄ろうと思ったものの諦めてしまった人もいるのでは?よほどのことがない限り、管理するヘルシー美里のスタッフが飛んで来てくれるので、気軽に見学してみよう。

資料館は昭和18年に建設され、今年で72歳。築百年を越える古民家も少なくない早川町ではもしかしたら若者の部類かもしれない。しかし、村役場として建てられて以後、町役場の支所や集会所を経て、現在は郷土資料館として途切れることなく地域のために働き続けてきた。展示品と同じく働き者なのだ。
今号では登録有形文化財となったのを記念し、実際に旧三里村役場で働いていた方のお話も交えて、レトロ可愛い彼女(いや彼?)の誕生の軌跡と仕事ぶりを振りかえる。

 

おばあちゃんの試してレシピ33

早川の夏のおごっそう おだら


「おだら」をご存知ですか?(「おざら」とも呼ばれるが、早川では「おだら」と呼ぶ人が多い)。ゆでて冷ましたほうとうの麺を、温かいつけ汁「おつけ」で味わう山梨の郷土料理です。かさを増やすために芋やカボチャを入れたほうとうと違い、小麦を多く消費するので、昔からごちそうでした。おつけは、醤油や味噌で味付け。具は季節の野菜やあるものを、好みに応じて入れ、各家庭でアレンジされました。今回は、3家庭の味をご紹介します。
夏バテしそうな暑い日でも食べやすく、具沢山にすれば栄養もたっぷり!ぜひお試しください。

 

▶︎材料(2~3人分)
● 出汁(共通)
煮干し……40g
干椎茸……5~6枚

●出汁の取り方
干椎茸に水を注ぎ、一晩置いて戻す。戻し汁に水を加え、頭と内蔵を取った煮干しを入れる。火にかけ沸騰したら、とろ火で10~15分煮出す。

▶︎作り方
❶ 味噌仕立てのおつけ
味噌………適量
酒…………少々
みりん……大さじ1
出汁………400cc
大根………適量
ねぎ………適量

① 出汁を火にかけ、酒、みりんを入れ、火を止め味噌を溶く。
② 薬味用に、ねぎを小口切りにし、大根をおろす。

❷ 野菜たっぷりのおつけ
にんじん…5cm程度
しめじ……1パック
油揚げ……1枚
出汁………600cc
醤油………大さじ4
酒…………少々
みりん……大さじ4

① 鍋に出汁、千切りにした人参、石突きを切り落とし一口大に裂いたしめじ、油揚げを入れ、火にかける。
② 具に火が通ったら、醤油、みりんで味を付ける。

❸ かき玉汁風おつけ
玉ねぎ……1個
しいたけ…60g程度
卵…………2個
出汁………400cc
醤油………大さじ4
酒…………少々
みりん……大さじ2

① スライスした玉ねぎと戻した干椎茸を千切りにし、出汁で煮込む。
② 酒、醤油、みりんを加え、最後に、沸騰している状態で溶き卵を回し入れたら完成!