103/地域に残る在来種は貴重な文化資源

今年3月,国立研究開発法人業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)は,貴重な植物遺伝資源の現状がわかる日本初の在来品種のデータベースを公開した。山形大学と共同で調査したデータを取りまとめたもので,44都道府県,280品種(今年4月時点)におよぶ在来品種の特性や歴史,伝統的利用法,栽培・保存・継承の現状,消費・流通の現状などを詳しく紹介している。

在来作物の種類が豊富な山形県や福島県,長野県,沖縄県などは多くの品種が紹介されている。しかし山梨県は1品種のみ。都留市のツケナ「水掛菜」しか掲載されていない。山梨県には「長善寺菜」や「鳴沢菜」「あけぼの大豆」などが存在し,早川町でも個性的な在来品種が受け継がれているはずなのに。