早川町は山だらけ。南アルプスの麓に位置し,町土の約96%を森林が占めている。そして森林とともにあるのは,豊富な水。南アルプスをはじめとする山々は,長い年月をかけて雨や雪解け水をたっぷりと蓄えてきた。それはやがて湧き水となって流れ出し,沢をつくり,早川へと注いでいく。こうした自然の営みの積み重ねによって,美しい渓谷景色が形づくられ,豊かな漁場が育まれてきた。これは,つくろうと思ってできるものではない。かけがえのない早川町の財産だ。
早川の上流へ分け入ると,知る人ぞ知る穴場の渓流スポットがいくつもある。3月15日の漁解禁日には町内外から多くの釣り人が訪れ,漁期を通して何度も足を運ぶ人も少なくない。派手に知られているわけではないが,一度知ると通い続けたくなる。そんな早川町の漁場環境が保たれている背景には,「早川漁業協同組合」(以後,早川漁協)の存在がある。この号では,早川漁協がどのように川を守っているのか,現場作業の様子を中心に伝えていく。

