58/山に生きる ~農鳥の主~

山に生きる農鳥の主

からっと晴れたある夏の日、青々とした空に映えるドラム缶が横たわっている。その上にずっかと陣取って峰の方を鋭く見つめる一人のオヤジがいる。南アルプス登山と言えば、白峰三山縦走を支える農鳥小屋のご主人深沢糾(ただし)だ。
「この時間じゃあ、到着が遅いなぁ」
事あるごとに登山客に声をかけ、山の天気や情報をその都度伝える。これまでの山上での数十年の経験から、登山客に注意を促すとともに、積極的なコミュニケーションを取っているのだ。
糾さんは一年の三分の一ほどを山上で過ごしている。それだけに、山でのちょっとした自然や動植物の変化、山に訪れる研究者らとのコミュニケーションが、日々の気づきに一役買っている。またオフシーズン、ふもとの奈良田集落の自宅へ戻った糾さんは、そこでも休む間もないくらいに活動的だ。猟やキノコ栽培、養蜂、釣りといったように、生活圏目一杯をフィールドにした糾さんの日常は集落のなかでも異色な過ごし方だ。
3000mを超える南アルプスの山の上から、早川の自然をじっと見守ってきた深沢糾から、どのような自然観が飛び出てくるのか、彼への密着取材を通して考察してみよう。

 

おばあちゃんの試してレシピ23

ごまがたーっぷり 冬菜の白和え

春先、畑で威勢よく育つ「冬菜」。昔から育て継がれている野菜で、おひたしやお漬け物の他、よく作られるのが白和え。今回の料理は、たっぷりのごまをしっとりするまで摺るのが秘訣です。
冬菜は葉が厚めなので茹でてもしっかりしており、よく摺ったごまと豆腐のなめらかで濃厚な口当たりがクセになる一品です。

■材料(4~5人分)
木綿豆腐…1/2丁
冬菜………350g(茹でたもの)
しいたけ…2枚
人参………1/4本
こんにゃく…100g
白ごま……50g
砂糖………大さじ5
塩…………小さじ1
醤油………小さじ1
サラダ油…適量

 
【A】醤油……大さじ1
砂糖……少々
だしの素…少々

■作り方
①豆腐は5分程茹でて、重しをして水を切る。
② たっぷりのお湯で茹でた冬菜は長さ5mmに切り、よく絞って水気を切り、ほぐして醤油をふりかける。
③ こんにゃくは千切りにし、茹でてアクを抜く。しいたけは薄切り、人参は千切りにする。
④ しいたけ、にんじん、こんにゃくを油で炒め、Aを加えて煮て冷ます。
⑤炒ったごまを摺り、豆腐を加えて滑らかになるまで摺る。砂糖と塩で味を整える。
⑥⑤に④と冬菜を加えて、和えれば完成!