早川流正月の過ごし方
国道を曲がり、南アルプス街道を車で走ること50分。早川町最奥の集落、奈良田に到着。険しい山と広大な湖に囲まれた集落の入り口にある一軒の旅館。50年前に創業した奈良田で一番の老舗、大家旅館だ。ここを切り盛りしているのは深沢定富さん、和枝さんのご夫妻。昨年、金婚式を迎えたおしどり夫婦だ。主に南アルプスからの下山客をもてなしている。
定富さんが県職員として働きに出ていた頃は、和枝さんが旅館の女将として立ち回り、最盛期には人を雇って営業していた。定富さんの退職後は、夫婦二人で働いている。一緒に過ごす時間も増え、並んで厨房に立つことも。
子ども達は家を出て、山梨県内の別の町に住んでいる。旅館の後を継ぐのは長男ということになっているが、そのあたりは色々ある様子。正月にはそれぞれの家族を連れて帰ってくる。年始年末は旅館を休業し、二人は子や孫とともに過ごす正月の準備にとりかかる。餅つき、コンニャクづくり、正月飾り…。
早川流正月の過ごし方を追うために、年始年末の大家旅館にお邪魔した。
美観図鑑3
雨に打たれるオシドリ(野鳥公園オシドリ池)
撮影:村田雅生
普段は口ばしが赤い点以外、メスと違いがないオスですが、11月にナルト繁殖期に入るため、全身の羽が抜け変わります。秋から春にかけて、オレンジや青の羽に包まれた美しいオシドリを、雨畑湖や野鳥公園で見ることができます。