木々と生きる
早川の魅力の一つは、なんといっても「自然と共にある暮らし」ではないだろうか。
狩猟採集で得た山の恵みをいただく。気候を利用して乾物を作る。あるいは薪ストーブや薪のお風呂で温まる…。早川の人々は、実にさまざまに自然を利用している。そんな中で、今回注目したいのが木。
早川の「木を使う暮らし」を支えているのが早川の豊かな山林だ。植林地も多いが、天然林だって十分広い。集落が始まる標高250mほどから、南アルプスの3000mレベルまで、多種多様な植物が生えている。冬でも葉の落ちない常緑広葉樹から、寒冷地に適応した針葉樹までお目にかかることができる。
そこで今号では、早川の植生とその利用を紹介することで、人の暮らしと自然との関わりについて考えてみたい。
早川の今昔をお届け! やまっこ探検隊! やまっこの冒険
No.09早川北小学校 わらべどんぐり祭り-民話劇-
早川北小学校で「BEANS」と並ぶ大きな取り組みの一つが「わらべどんぐり祭り(わらどん)」です。前身は昭和51年に始まった「わらべ祭り」です。その後、隣の北保育所(現在休所)で行っていた「どんぐり祭り」と合同開催になり、「わらべどんぐり祭り」が始まりました。1日で学芸会(民話劇)と音楽会、運動会をしますが、児童はどのプログラムも一生懸命取り組んでいます。目玉は、なんといっても民話劇です。早川町内の民話を取材し児童皆で話し合って台本にします。今回は台風19号の影響で予定より約1ヶ月遅れで開催された「わらどん」の様子をご紹介します。
今年の民話劇は「そま衆の休日」です。焼畑をしていた頃の話を奈良田の人々に実際に聞き、それをもとに劇を作ります。劇の途中で、焼畑の各工程もアナウンスするなど、皆で楽しめ、学べるところもポイントです。衣装や小道具も凝っていました。そして、印象的なのは児童が話す方言や表現力です。方言は地域の人に指導してもらいます。 「作っとーもの(作ったもの)」など簡単すぎず、かといって難しすぎない方言を使っていたようです。また、時に笑いを誘う場面もあり早川との繋がりや知識がなくても終始楽しむことができます。
今回の舞台である奈良田以外に住むおじいさん、おばあさんも当日は何人もおいでになり、児童を温かな眼差しで見ていました。児童は地域の文化を学び、精一杯披露する、周りの大人は支え見守る、この「わらどん」は地域の誇れる取り組みの一つでしょう。