41/栃原堰堤

栃原堰堤

皆さんは、栃原堰堤(とちはらえんてい)をご存知だろうか。今年1月に国の登録有形文化財の仲間入りをした砂防堰堤だ。
砂防堰堤とは、土砂の流出を防ぐために作られたダムのこと。早川町内でよく見かける、川をせき止めているコンクリート構造物である。栃原堰堤は春木(はるき)川流域に残る一番古い堰堤で、昭和8年竣工の本堤、同11年竣工の副堤からなっている。その姿は、角瀬(すみせ)から七面山登山口のある羽衣までの途中、道路の右側に見ることができる。しかし、一見古びたコンクリート構造物でしかない。多くの人は、気にも留めずに横を通り過ぎていたのではないだろうか。
実際に栃原堰堤を眺めると、両岸や川の岩盤と一体化した石貼りの壁という感じだ。水が滝のようにごうごうと落ちて来る。石貼りのデコボコのおかげで、最近の、のっぺりしたコンクリートそのままの堰堤に比べれば、何となく味がある。そして、よく見れば、上部のふちが所々欠けている。長年土砂や水に洗われて、摩耗してしまったのである。左手の高い所に掲げられた銘板は、縦書き。そんな所にも歴史を感じることができる。
工事が行われた昭和初期、ショベルカーやブルドーザといった重機はまだなく、人の手でほぼ全ての作業が進められた。人々の苦労が詰まった堰堤なのである。
今回は、文化財に登録された記念に、栃原堰堤が作られた背景や、苦労の多かった工事の様子をご紹介する。

 

おばあちゃんの試してレシピ12

米の粉で作る 草餅と柏餅

緑の美しい季節。緑がおいしい季節でもあります。早川のおばあちゃん達は、この季節、おやつに草餅や柏餅を作ってふるまうのが定番。よもぎは「もちぐさ」とも呼ばれるほど。もちろん、よもぎや柏の葉は、買うのでなく取りに行きます。
今回は、赤沢の杉山美智子さんに教えていただきました。その昔、赤沢や七面山登山口では、七面山の参詣客に「草餅」を作って売っていたそう。季節を感じる素朴なお菓子、どうぞ作ってみて下さい。

■材料
〈草餅10個分〉
米の粉…250g
熱 湯…500cc
よもぎ…150g(ゆでて刻んだもの)
あんこ…400g(市販でも可)

〈柏餅10個分〉
米の粉…300g
熱 湯…500cc
あんこ…400g(市販でも可)
柏の葉…10枚

■作り方…<>は草餅、【】は柏餅、〔〕は共通
<1>ゆでたよもぎをフードプロセッサーなどで細かくしておく。
〔2〕米の粉に熱湯を回し入れ、こねていく。最初は熱いので、しゃもじで。

【3】よくこねたら、生地を10等分し、丸くのばして、あんこを包む。
【4】半月型に仕上げ、柏の葉で包む。

<3>生地がまとまったら、よもぎを加え、さらにこねる。
<4>よく混ざったら、10等分した生地を丸くのばして、あんこを包む。

〔5〕沸騰している蒸し器に餅を並べ、約5分ふかす。箸をさして餅がついてこなければできあがりです。