雨畑硯/本物の雨畑真石が生み出す極上の黒 鋒鋩(ほうぼう)の質が作り出す漆黒


程よい黒の輝きを放つ雨畑硯(あめはたすずり)は、その質において、古来より良硯として珍重される中国の「端渓硯(たんけいけん)」とも肩を並べると言われる。質感ときめ細かい肌ざわり、墨のあたり、墨おりにすぐれた和硯として、昔より多くの文人墨客に愛用されてきた。

本物でしか表現し得ない極上の墨を求め、遠くは海外からわざわざ購入に来る人もいるほどである。ある時、「雨畑硯が作られなくなった」との噂が広まり、それが嘘であったことを知った書道家からの喜びの手紙が、町に届いたこともあった。


●雨畑硯の魅力「鋒鋩のきめ細かさ、均一さ」

一般的に重要視されるのは、石に含まれる「鋒鋩(ほうぼう)」という、墨をするときに細かいヤスリのような役割をするものが、硯に多く含まれることである。

雨畑硯の元となる原石「雨畑真石(あめはたしんせき)」には、白雲母・絹雲母・緑泥石などの再結晶鉱物が晶出し、特に「白雲母(=鋒鋩)」がいろいろな方向を向いて多量に含まれている。これが墨の磨り心地の良さ、硯の減りにくさ、制作する際の石の割れにくさや剥がれにくさにつながる。

 

適当な量の白雲母ができるためには、岩石が生成されていく中で適当な温度や圧力等の条件が必要である。良質な原石は、正に自然の生み出した偶然の賜物と言える。

 

●雨畑唯一の硯職人

雨畑地区の『硯匠庵(けんしょうあん)』は、販売もおこなっている硯工房である。ここに硯を彫って30年になる職人、玉泉(ぎょくせん)さんがいる。

玉泉さんは父である麗石さんに20歳の時に師事した。採石してきた石を平らにする作業だけの修行を1年続け、石の目を読む力を養った。

 

硯職人でないとわからない魅力が、雨畑真石にはあると言う。それでも「磨いていてうれしくなるような石」と玉泉さんが表現するようなものは、100枚に1枚か2枚しか出会えないそうだ。

「石に傷がなく、石紋が澄んでおり、磨くと粘り気がある」、そのような石を彫るときは、硯職人としてのやりがいを感じる一番の時だと語る。


雨畑硯の里「硯匠庵」

雨畑川の渓谷で永い眠りから覚めた雨畑真石(雨畑石)の原石は、ほどよい黒の輝きを放つ、自然が造形した逸品。雨畑硯は、職人の確かな技で七百余年延々と彫り継がれ、多くの墨客に愛用され、その使命をまっとうしてきました。
今あらためて、硯が持つ古き良き文化的価値を、より多くの人に理解して頂き、新たなる文化創造の発信ができれば、との願いのもとに「硯匠庵」が生まれました。

TEL:0556-45-2210
FAX:0556-45-2210
営業時間:9時〜17時
定休日 :火曜日(祝日の場合、翌水曜日)
住所  :〒409-2734 山梨県南巨摩郡早川町雨畑709-1

[硯学料]
大人 200円
中・高・大学生 100円
小学生以下70歳以上  無料

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