自分でやるから賢くなる 早川流アウトドアのススメ 山を知り尽くした早川の男のギア


近年ちょっとしたアウトドアブームが到来している。色とりどりのアウトドアウェアに、便利な道具の数々。ファッション化したアウトドア用品は必要以上にアウトドア活動を華美に、便利にしてしまうのではないか。今回は、早川の人が山に入る際に使う道具の一端を紹介する。

●足元を固める


足回りの選択は、山を歩く時の重要なポイントだ。早川の山人は、行き先や目的によって数種類の靴を使い分ける。中でも、近くの樹林帯の中を歩く時は、軽くて足にフィットする地下足袋を履く人が多い。地下足袋といっても、山を歩くのにはより滑りにくいスパイクがついたものや、防水性の高いゴム引きのものが愛用されている。

●非常時の知恵

山人は用意周到で用心深い。危険な状態には極力怠らないように、事前に回避するのが常識である。だが、当然ながらいざという時の知恵も持っている。
その一つがカンバの皮。これを焚き付けに使うと、雨の中でも雪の中でも焚き火を起こすことができる。歩きながら皮をむしって、げんこつ一つ分くらいをポケットに入れておく。木を割って中の乾いた部分を出した薪を隙間なく揃えて積み、カンバの皮を焚き付けに火を付ける。

●知恵と技術が凝縮したアウトドアギア

山の恵みを得るのと同時に恐ろしさも身をもって知っているから、万全の体制で臨む。道具もそうだが、天気を読み、地形を捉え、それらの研究も怠らない。見た目こそ質素なつくりの物が多いが、そこには、早川の人たちの知恵と技術が凝縮されていると言えるだろう。

やまだらけ6号「早川流アウトドアのススメ」より>